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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第37章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の参
 安五郎は秋の陽にきらめく水面に眩しげに眼を細めている。
「それはあるかもしれませんね」
 安五郎は相槌を打つと、池の方からお彩に視線を移した。
「良かったら、将来、一緒になって貰えませんか」
 唐突に言われ、お彩は眼を瞠った。
 だが、あらかじめ予期していた台詞ではあった。お彩は安五郎の陽に灼けた顔からそっと視線を逸らした。
 短い沈黙が落ちる。
 安五郎が続けた。
「喜六郎さんからあらかたの話を聞いてなさるかとは思いますが、私は真剣です。もちろん、私たちはまだ互いのことを何一つ知っちゃあいない。
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