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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第37章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の参
 その時、突如として、ある考えがお彩の中で雷(いかずち)のごとく閃いた。それは、まるで闇を照らすひとすじの光のように、お彩の心に差し込んだ。
 市兵衛の心の闇を埋めることはできずとも、孤独や哀しみを分かちあうことはできずとも、傍で見守ることはできるはずだ。見守るだけしかできないかもしれないけれど、それで良いのではないか。
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