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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第45章 第十六話 【睡蓮】 参
「お内儀さん、どうか、これからはずっと旦那さまのお傍に居て差し上げて下さいませ。今度こそ、お二人でお幸せになって下さいませ。今、旦那さまは生きようと懸命に闘っておいでです。お内儀さんがお側にいて下されば、きっと旦那さまもお心強いに違いありませんから」
お彩は、おみよの言葉に深く頷いた。
お彩は、あの夢の中で見た子ども時代の市兵衛を思い出していた。夢の中で「生きたい、死にたくない」と泣いていた少年。あれが正夢ならば、市兵衛は必ず生きようとしている。 おみよの言うとおり、今、懸命に死に神と闘っている。
お彩は、おみよの言葉に深く頷いた。
お彩は、あの夢の中で見た子ども時代の市兵衛を思い出していた。夢の中で「生きたい、死にたくない」と泣いていた少年。あれが正夢ならば、市兵衛は必ず生きようとしている。 おみよの言うとおり、今、懸命に死に神と闘っている。