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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第46章 最終話【睡蓮】 四
お彩は、自分もまた空いた方の手で市兵衛の手を取り、もう二度と放すまいというように、市兵衛の手を握る手に力を込めた。
溢れる涙の雫がしたたり落ち、市兵衛の手を濡らす。お彩は握りしめた男の手を頬に押し当てた。
この温もりを絶対に放さない。
市兵衛がお彩を見つめて言った。
「もう二度と私から離れないでくれ。お前が傍にいてくれる限り、希望はあると信じられるんだ」
お彩は市兵衛を真っすぐに見つめ返しながら、幾度も頷いた。
溢れる涙の雫がしたたり落ち、市兵衛の手を濡らす。お彩は握りしめた男の手を頬に押し当てた。
この温もりを絶対に放さない。
市兵衛がお彩を見つめて言った。
「もう二度と私から離れないでくれ。お前が傍にいてくれる限り、希望はあると信じられるんだ」
お彩は市兵衛を真っすぐに見つめ返しながら、幾度も頷いた。