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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第7章 第三話 【盈月~満ちてゆく月~】 其の壱
 その瞬間、伊八の顔色が変わった。
「どうしたんだえ、伊八さん」
 異変を嗅ぎつけた彦七が後から顔を覗かせる。伊八は蒼白な顔で呟いた。
「お彩だ」
「え、何だって」
 よく聞き取れなかったらしい彦七が不審げな表情で訊ねるが、伊八は相手にしなかった。
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