この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第8章 第三話 【盈月~満ちてゆく月~】 其の弐 
 お彩は声を限りに父を呼んだ。だが、父の声は聞こえない。姿も見えない。
―ああ、食べられる!!
 お彩は眼を固く瞑った。とうとう化け物が真後ろまで迫ってきた。このまま頭からがつがつと食べられて骨も砕けてしまうのだと絶望的な想いになった時、遠くから呼び声が聞こえた。
―お彩、お彩。
 この声は父のものに違いない。やはり、父は助けにきてくれたのだ。そう、どんなときだって、父はいつもお彩を見捨てたりなんかしない。
 嬉しさと安堵に涙ぐみそうになった。
「―彩、―彩ちゃん。お彩ちゃん」
 呼び声は次第に近くなってゆく。ああ、父が来てくれたのだ。お彩は歓びに震えた。
 お彩の濃い翳を落とす睫が細かく震えた。うっすらと眼を見開くと、自分を不安げに見つめる男の顔が白濁した視界にぼんやりと映る。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ