この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第8章 第三話 【盈月~満ちてゆく月~】 其の弐 
甚平店からの帰り道、お彩は和泉橋のたもとを通った。この小さな橋を隔てて武家屋敷町と町人町が相対している。即ち一方は閑静なお屋敷街であり、また一方は商家が軒を連ね、大勢の人が行き交う活気溢れる庶民の町であった。
 橋のたもとには、ゆうに樹齢百年は越える桜の樹がひそやかに佇んでいる。既に花も散り、青々とした葉を繁らせていた。その傍らには楓の樹が寄り添うように植わっていて、こちらも桜ほどではないけれど、かなりの古樹のようであった。橋を渡りきった先は、静かなお屋敷町へと続いている。
 近くに見える立派なお屋敷松平越中守さまのお住まいであった。
 お彩は橋のたもとに佇み、じっと流れゆく川を見つめた。けして大きな川ではないが、流れは存外に速い。楓の樹が豊かな緑の葉を涼しげに水面に映しだしていた。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ