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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第17章 第七話 【雪花】 其の弐
 予想外に強い口調になってしまったことに、お彩自身も愕いた。
「また、商いが忙しくて逢えなかったとでも言い訳するんですか」
 お彩は淀んだ川を見つめながら、投げやりに言った。
 今日も江戸の空には灰色の雲が垂れ込めている。小さな川も空の色をそっくりそのまま映し出したようだ。お彩の心もまた川の色のように暗く淀んでいた。
「そんな言い方は、お前さんには似合わねえ」
 陽太が言うと、お彩は首を振った。
「じゃあ、どんな言い方が私に似合うの? それに訊くけど、どんな話し方が私に似合うか判るほど、あなたは私のことを知っているの?」
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