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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第17章 第七話 【雪花】 其の弐
 それほどに逢いたいと思うのなら、どうしてこんなにも長い間、お彩を放っておくのか。どうして、自分の素性を明かさないままで逢瀬を続けるのか。
 その懸念はもっともなことだった。そのときのお彩には、その理由と陽太の中の壮絶なまでの孤独に深い拘わりがあるとは想像すらできなかったのだ。
「もう逢わないようにしましょう。私の前に二度と現れないで」
 お彩はうつむいたまま言った。
 陽太の眼が見開かれた。
「本気なのか?」
 刺すほどに鋭い視線を痛いほどに感じながら、お彩は頷いた。
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