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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第19章 第八話  【椿の宿】
 そのつややかな紅(あか)は長く残像となって、お彩の瞼に映り続けていた。今も出合茶屋でのひとときを記憶に蘇らせたその一瞬、あの椿の鮮やかさがあたかも今、眼にしたばかりであるかのように生き生きと浮かんだ。
 互いに言葉を交わすことさえもどかしく、性急に愛を交わす日々。もう、こんなことを幾度、繰り返したであろうか。
 初めて膚を合わせてから、既に二月(ふたつき)が経っていた。深間になればなるほどに、見えなくなってゆく男の心を追うのは、影踏みをしているのにも似ている。
 童女の頃、同じ長屋の子どもたちとした他愛ない子どもの遊びだったけれど、お彩は年長の男の子たちにはどうしても追いつけなくて、いつも最後には置いてけぼりにされ、一人になって泣いた。
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