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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第21章 第九話 【夫婦鳥~めおとどり~】 其の壱
この三日という間、お彩の心は大きく揺れていた。今も片付けをしながら、ぼんやりと考えていたのだが、妙なことに突然、父の声で我に返ったのだ。
ハッとしたお彩の耳に、再び父の声が響いた。
―お彩ッ。
刹那、お彩の全身を悪寒が駆け抜けた。
それは何とも形容しがたい嫌な予感であった。お彩の手から盆がすべり落ちた。
丼が床に落ちて真っ二つになる派手な音が響いた。
―おとっつぁん?
お彩は慄然としたまま、立ち尽くした。
恐る恐る下を見ると、丼は無残にも真半分に割れていた。お彩は慌ててしゃがみ込んで、その破片を拾おうとした。その拍子に右手の人差し指を少し切ってしまった。
ハッとしたお彩の耳に、再び父の声が響いた。
―お彩ッ。
刹那、お彩の全身を悪寒が駆け抜けた。
それは何とも形容しがたい嫌な予感であった。お彩の手から盆がすべり落ちた。
丼が床に落ちて真っ二つになる派手な音が響いた。
―おとっつぁん?
お彩は慄然としたまま、立ち尽くした。
恐る恐る下を見ると、丼は無残にも真半分に割れていた。お彩は慌ててしゃがみ込んで、その破片を拾おうとした。その拍子に右手の人差し指を少し切ってしまった。