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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第21章 第九話 【夫婦鳥~めおとどり~】 其の壱
「何ですって、おとっつぁんが荷車に轢かれた―」
茫然と呟くお彩に、しん助が言った。
「おじちゃん、ガキを庇ったんだよ。それであんなことになっちまって」
傍らで一部始終を聞いていた伊勢次が即座に言った。
「とにかく、すぐに甚平店に行こう。話はそれからでもできる」
伊勢次は、しん助に眼顔で頷くと、お彩の手を掴んだ。
「お彩ちゃん、動転するなっていう方が無理だろうけど、落ち着くんだ。今は一刻も早く親父さんのところに行った方が良い。しん助さん、申し訳ねえが、この店の主人が今、近所の八百屋まで買いだしに出てるんだ。その人が戻ってきなすったら、事の次第を伝えてから戻ってきてくれねえか」
茫然と呟くお彩に、しん助が言った。
「おじちゃん、ガキを庇ったんだよ。それであんなことになっちまって」
傍らで一部始終を聞いていた伊勢次が即座に言った。
「とにかく、すぐに甚平店に行こう。話はそれからでもできる」
伊勢次は、しん助に眼顔で頷くと、お彩の手を掴んだ。
「お彩ちゃん、動転するなっていう方が無理だろうけど、落ち着くんだ。今は一刻も早く親父さんのところに行った方が良い。しん助さん、申し訳ねえが、この店の主人が今、近所の八百屋まで買いだしに出てるんだ。その人が戻ってきなすったら、事の次第を伝えてから戻ってきてくれねえか」