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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第24章 第十話 【宵の花】  其の弐
 気遣わしげな声で問われ、お彩は小さく頷いた。
「ごめんなさい。また心配をかけてしまいますね」
 お彩は、涙の滲んだ眼で振り返った。案の定、おみよが案じ顔で座っている。その手には丸い塗り盆があった。どうやら、お粥を作ってきてくれたらしい。
「私のことなぞ、よろしいのですよ。でも、もう昨日の朝からずっと召し上がってはおられないでしょう。このままでは、お身体の方がもちませんよ」
 その時、再び烈しい吐き気に見舞われ、お彩は口を押さえた。突っ伏して咳き込むお彩の苦しみ様に愕いたおみよが慌てて近寄ってくる。
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