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第24章 第十話　【宵の花】　　其の弐

　突然、気を失って倒れたお彩を見たおみよは動転した。急いで人を呼びに表へと取って返したおみよがお彩の部屋に戻ってきた時、既にお彩の姿はそこにはなかった。
　おみよが眼を離したほんのいっときの間に、お彩は居間からかき消すように姿を消した。
　その日、祝言を挙げてまもない、新婚四カ月の若い内儀は忽然と京屋からいなくなった。