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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第27章 第十一話 【螢ヶ原】  其の参 
【其の参】

 水無月になった。江戸の季節は、はや初夏にうつろっている。その日、お彩は近くまで買い物に出て、伊勢次の好きな鰯を買ってきた。
 この長屋に来てひと月ほどの間は、京屋から追っ手がくるのではないかと怯えて暮らしていて、日中も滅多と外に出なかったのだが、最近は昼間、近くまでなら出歩くようになった。
 案じたように京屋からの追っ手もなく、市兵衛はお上(番所)にさえ女房の失跡を届けてはおらぬようで、この界隈で岡っ引きの姿を見かけることもなかった。そのことにホッとしながらも、半面、お彩の胸には言いようのない寂寥感が去来していた。
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