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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第27章 第十一話 【螢ヶ原】 其の参
さしもの稀代の英雄秀吉も老いてはただの人となり、我が子可愛さのあまり、罪なき多くの生命を奪い、女子どもを処刑した。果たして、秀吉の跡を継いだ秀頼は徳川家康に大坂の陣で攻め滅ぼされ、若くして非業の死を遂げ、栄華を誇った太閤家は絶えた。
その戦国よりは、はるかに時を経た現在は、その豊太閤の遺児秀頼を滅ぼした徳川家康公の子孫である将軍様が天下を治めるご時世である。天下太平の世となり、戦はなくなったけれど、この世の中が続く限り、人々の間で諍いが絶えることはない。
人はめぐり逢い、愛し、憎み、争い、そして再び別れゆく。断ち切れぬ人のさだめの輪は、こうして繰り返し繰り返し、果てることはないのが世の習いなのであろうか。
その戦国よりは、はるかに時を経た現在は、その豊太閤の遺児秀頼を滅ぼした徳川家康公の子孫である将軍様が天下を治めるご時世である。天下太平の世となり、戦はなくなったけれど、この世の中が続く限り、人々の間で諍いが絶えることはない。
人はめぐり逢い、愛し、憎み、争い、そして再び別れゆく。断ち切れぬ人のさだめの輪は、こうして繰り返し繰り返し、果てることはないのが世の習いなのであろうか。