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第28章 第十一話　【螢ヶ原】　　其の四　

　これからは、自分がこの子と、そして、伊勢次の母を守ってゆく。
―伊勢次さん、私、きっとやるから。あなたが言ってくれたように、けして弱音を吐いたりしない元気な私に戻るから。
　お彩は心の中で、伊勢次に呼びかけた。
　陽に灼けた伊勢次の顔が、心なしかほろこんだように思ったのは、気のせいだろうか。
　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　（第十一話　【螢ヶ原】　了）