この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第4章 第二話【花影】-其の壱-
 随明寺の桜餅は境内の桜の葉で包まれており、甘すぎない上品な餡と外側の餅のもっちりとした食感が人気で江戸名物としても知られている。ひと口含むと、餅を包む桜の葉の香りがほのかに漂う。
 随明寺の山門へと至る通称「息継ぎ坂」(あまりに長くて急な石段なので、女子どもや年寄りは途中で息を継いで休まなければ最上階まで辿り着けないことで、この名で呼ばれた)
を降りた先の小さな茶店でのみ売っているが
、老婆がたった一人で作るため、一日に作る量が限定されており、この時季は茶店の前に行列ができるほどである。
 伊八は、この桜餅がお彩の何よりの好物であることをちゃんと憶えているのだ。
 だが、お彩は敷居をまたごうとはせず、顔をうつむけているだけだった。
「どうした? 具合でも悪いのか? 桜の時季とは言っても、今日はやけに暑いから―」
 言いかけた父に、お彩は烈しく首を振って言った。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ