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金木犀と悪魔な執事
第12章 動き出した針




月は落ち着いて

自分が今言った事を振り返ると、

だんだん恥ずかしくなってきて、

顔を俯かせる





ーーなんで私いきなり怜に

感謝の言葉を伝えてるんだろ?




……でも、なんでか分からないけど

今言わなきゃダメな気がした





そんな月の思考回路を止めるように

怜は思いっ切り月に抱きついた





ーーーギュッ…



「れ、怜!苦しいよっ……!」



『もう少しだけ、こうさせてください』






月は気づかないフリをしたけど

怜の声が、ほんのちょっとだけ

震えていた気がした



ーー怜も執事とはいえ、

私と同じ人間だもん

不安な事あったら、

落ち着いて居られないよね






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