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Memory of Night 番外編
第3章 熱々、バレンタインデー!
「いや、いろいろと試してみたいプレイがあるのにいちいち抵抗されると面倒で……」
言い終わる前に横から飛んで来たのは、宵が肩にかけていたショルダーバック。学校指定の学生鞄だ。
晃はそれを腕で受け止めた。
「こんなとこでそんなもの振り回したら危ないだろ?」
「うるせー変態」
「ダーリンと呼びなさい」
「絶対、お断りだっ」
その時だった。ふいに電車が揺れた。
それほど大きな揺れではなかったが、二人はバランスを崩してしまう。
どうやら電車が駅に停車するため、スピードを落としたらしい。
宵は背中を軽くドアにぶつけてしまい、晃の体がその上に覆いかぶさってくる。
「大丈夫?」
耳元で囁かれる声に、宵が頷こうとした時だった。
「……!?」
宵は息を呑んだ。
晃の左手が、宵の股関に置かれていたからだ。
最初はただのハプニングかと思ったが、そこを軽く握られ、さらに晃の瞳は意地悪く笑んでいて、わざとであることを確信した。
「な、何して……」
上擦りそうになる声を抑え聞こうとしたが、電車はすでに停車してしまっていた。