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Memory of Night 番外編
第3章 熱々、バレンタインデー!

 引っ込めようとする手を強く掴み、指ごとすっぽりくわえてこんでしまった。
 ねっとりとした熱くて柔らかい舌の感触に、背筋が震える。

「……っ」

 ごくりと、宵が喉を鳴らす。
 夜の冷たい冷気の中で、その音はやたら大きく響いた。
 晃は宵の指をさらに奥までくわえ込み、第二関節辺りを甘噛みする。
 歩きながら、晃はずっとそうして宵の右手に愛撫を繰り返す。
 たまらなかった。ざらついた舌が指の間をすべっていく度に、体の芯が疼く。
 この舌がいつも、鎖骨や乳首、起ち上がった宵のものに絡みつくのだ。
 そこからもたらされる快感を、まるで全身が記憶しているみたいだった。
 手を舐められているだけなのに、体中がぞくぞくしてどうしようもない。
 今すぐ晃の舌で、全身を愛撫されたい。
 宵は左手で自分の体をぎゅっと抱きしめた。
 晃は宵の様子を横目で窺いながら、唾液でべっとりと濡れた宵の指を離して言った。

「頭ン中俺でいっぱいになんな。そうしたらもっと気持ちいいことたくさんしてあげる」

 その言葉で、宵はようやく自分が煽られているのだと理解したのだった。
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