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Memory of Night 番外編
第3章 熱々、バレンタインデー!
晃は家の前に着いた時にようやく宵の手を舐めるのを止めた。
綺麗に手入れされたカフェテラスのような庭を抜け、ドアの鍵を開ける。
薄暗い玄関に連れ込まれた瞬間、唇を塞がれた。
唇を合わせただけの軽い口付け。
だがそれでは物足りず、宵は肩にかけていた鞄をその場に落として晃の首に両腕を絡めた。
肉厚の唇を吸い、自ら舌を晃の口に差し入れる。
「ふう……、ん」
晃の頭を抱き寄せ、角度を変えて何度も深く唇を合わせた。
文字通り、貪るようなキスだった。
「今日はずいぶん積極的だね。いつも、宵の方から深いキスをくれたことなんてないのに」
唇をわずかに離し、ふいに晃がそんなことを言う。
宵は真っ赤になって絡めた腕を解こうとしたが、その前に背中を抱きすくめられてしまう。
晃は右手で宵の体を引き寄せ、左手で宵の首筋をなぞった。
それだけでさんざん煽られた体はさらに熱を帯び、全身をぞくぞくさせた。
火照った体が、晃の体温を求める。
間近に迫った唇をもう一度貪りたい衝動にかられたが、晃はキスを仕掛けようとはしなかった。