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Memory of Night 番外編
第3章 熱々、バレンタインデー!
宵はタイルについていた腕に自分の体を寄りかからせた。
「もう、立ってられな……っ」
無意識につぶやき、そのまま膝をつこうとした宵の体を晃の腕が支える。
また意地悪な言葉が飛んでくるのかと思ったが、意外にも、晃の言葉は優しかった。
「平気? 俺の腕に掴まっていいよ」
いつもの口調にほっとする。
晃の言葉通り、片手をタイルについたままもう片方の手で晃の腕を取ると、いくらか楽になった。
「やっぱり風呂で立ちバックはきつすぎたかな」
そんなつぶやきが頭の後ろから聞こえてくる。
「知ってて……やってるくせに」
宵が悪態をつくと、晃は笑った。
「仕方ないだろ? 他の体位ができないんだから。こんな堅いタイルの上に寝させたら筋肉を痛めるし……」
そう言われて初めて気付く。
わざわざ立たされて繋がることを強要されたのは、晃なりに自分の体を気遣ってのことだったらしい。宵が背中や腰を痛めないために。
苦しい体勢を強いられながらも、晃の腕はきちんと自分を支えてくれているし、怪我をしないようにという配慮もしてくれている。