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第3章 熱々、バレンタインデー！

　言葉と共に晃は再び宵の腕を自分の方へと引いてみせる。
　バランスを崩して体勢が変わり、自分を突き刺す晃のそれが、わずかに深くなった。
　浴室で一度挿入しているため痛みはなかったが、内臓がせり上がるような感覚があってなかなか上手に受け入れられない。
　体に余分な力が入っている自覚もあった。
　晃の肩に両手をつき、そこに体重を預けるようにしてどうにか体勢を保っていたが、それでも辛かった。
　宵はとっさに晃の肩に思い切り爪を立ててしまう。
　晃は爪が皮膚に食い込む痛みにわずかに顔をしかめたが、宵を咎めはしなかった。

「う、は……あ」

　無意識のうちに、下腹にはさらに力が入ってしまったらしく、晃の形を中ではっきりと感じる。
　喘ぐ声にも、苦痛による変化は現れていた。
　挿入する晃の方もきついのかもしれない。
　わずかに顔をしかめる。
　やがて晃は呟いた。

「……まったく不器用だな。もっと力抜くんだって」

　呆れたようにため息をつき、見かねた晃が宵の胸元に唇を寄せた。
　食（は）むようにしてそこを刺激すると、宵は背をわななかせる。