この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 番外編
第4章 Episode of AKIRA
陽も伸び始め、春の訪れを知らせるように暖かい、そんな日曜日。
晃は宵を引き連れ、新しくできたショッピングモールを訪れていた。
今は二人は三階にいる。
中のほとんどの店舗は開店セールやらのイベントをしていて、建物の中は活気に満ちていた。
色とりどりの服が飾られ、人も多い。
ごった返す人混みではぐれないようにと宵の手を引き、晃は店内を見回していた。
今日の目的は宵の春服選びだ。
「……つか、なんで俺の服をおまえが選ぶんだよ? 自分の買えよ」
誘われるままにこのショッピングモールを訪れた宵だったが、よくよく考えれば変な話だ。
晃本人の服が欲しいのなら付き合うけれど、そういうわけでもないのだと言う。
「俺はいいの、もう買ったし」
それだけ答えて小さく溜め息を漏らし、晃は宵を振り返った。
「だって宵、服に関心なさすぎるんだもん。家じゃスウェットかティーシャツだし、外出る時も……スウェットかティーシャツかジーンズ。まったくどこのヤンキー? みたいな格好しかしないじゃん」
「ヤンキーって……」
宵が軽く首をかしげて晃を見つめる。