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Memory of Night 番外編
第4章 Episode of AKIRA
「おまえ、やっぱ女が好きなんだろ?」
「へ?」
宵に唐突にそんかことを聞かれ、スープを口に運ぼうとしていた晃は手を止めて顔を上げた。
今、二人は地下のレストラン街でだいぶ遅い昼食を取っている。選んだのはパスタとピザの店だ。
昼じゃどうせ混んでいてどこにも入れないだろうということで、宵の春服を先に全て揃えてからここに来た。
そのせいですでに三時を過ぎてしまっていたが、そのおかげで待たされることもなくすんなり入店することができた。
テーブルが二十個ほど並ぶ店内の隅の方の席を選んで、二人はランチセットを食べている。
「いきなりなんの話?」
先ほどまでは無言でパスタを食べていたのに、今は宵の灰色の瞳は晃を見据えていた。
「……一日中ちょっかい出しすぎ」
宵はわずかに瞳を細めてぽつりと言った。引き結んだ唇からは、明らかに不機嫌そうな様子が伝わってくる。
一日中という言葉に思い当たるものがあって、晃は苦笑した。
「ああ、店員さんにか」