この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 番外編
第4章 Episode of AKIRA
最初はそれなりにあった彼女への興味も、時が経つごとに薄れていく。
お気に入りだった玩具に飽きていく感覚に似ていた。そんな自分の感情の変化に、違和感や罪悪感も感じていた。
やはり彼女を好きではないし、これからも好きにはなれない。
そう自覚してからは、あまり優しくもできず、彼女とは一ヶ月も経たずに別れてしまった。
しばらくは付き合いを自重していたが、そんな晃に言い寄ってくる子は多かった。おそらく、父親譲りの容姿や人当たりの良さのせいだ。
物をねだるのに物わかりのいい子を演じていた方が都合が良かったし、とっさに人の顔色を窺い、それに合わせて他人と接するのも得意な方だった。
先天的に長けていたのか幼少期の環境からなのかはわからないが、そういう要領の良さやずる賢さは、中学に上がる頃には身に付いてしまっていた。
どんな顔をすれば人から好かれるのか。無意識のうちに考えていたのかもしれない。
おまけに勉強や運動も、人よりはできる。新しいことを始めても、コツを掴むのは早かった。
他人を惹きつける要素を、人より多く持っている自覚はあった。