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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
――あれは、冬休み前のロングホームルームでのこと。
すでに周りは文化祭に向け動き出し始めていた。
二年一組も同様、議題に上がったのは文化祭の出し物についてだ。
「いいじゃん、宵で」
「――は?」
突然挙がった自分の名前に、それまで頭を腕にうずめて居眠りをしていた宵は、はっとして顔をあげた。
「意義ある人いますかー?」
壇上に立ち、教卓に片手をついて明がクラス全体に問いかける。
いつの間にか黒板は生徒達から出た案で、びっしりと埋まっていた。
「意義なーし!」
一斉に響く声。
一体何がどうに決まったというのか。
宵は身を乗り出して黒板を見つめ、先ほどあがった自分の役割を確かめようとした。
書記が書いた汚い字を追っていた目が、ふいに止まる。
「『コスプレ……鬼ごっこ?』」
「鬼役よろしくね、宵!」
「は?」
鮮やかな笑顔を明に向けられ、宵は焦る。
「なんだよ、コスプレ鬼ごっこって。なんで俺が……」
「たった今多数決で決まったからよ」
「勝手に決めんな!」
「何よ、あんたが寝てるから悪いんでしょうが!」
「起こせよ!」
「知らんわ! そんな義理ないしっ」