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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「……考え?」
明から不穏な空気を感じ取った宵は、声を潜めてその言葉を反芻する。
「ええ」
明は頷き、不敵な笑みを口元に乗せると、その場に膝をついた。
そうして宵の目前にぐっと顔を寄せ、怯んだ宵の胸ぐらに手をかける。
「……!?」
ぎょっとして宵は反射的に身を引こうとしたが、あいにく、教卓に背をぴったりとくっつけているため叶わなかった。
明は宵の着ているセーターを容赦なく捲りあげようとする。
「力ずくで着替えさせてやるわ!」
「何考えてんだ、おまえは痴女か!」
宵は明の手を掴んで引き剥がそうと焦った。
けれども明の精一杯の力が込められているらしく、小柄なはずの手はなかなか離れない。
「ええい! いいから脱げ!」
「やめろって……っ!」
セーターを胸辺りまで捲りあげられ、ワイシャツ越しにひんやりとした冷気を感じる。
それまで呆然と宵と明のやり取りを眺めていた大山は、ここにきてようやく我に返ったようにまばたきを一度して、止めに入った。
明の肩に両手をかけ、声を大にして呼びかける。
「明、ちょっと落ち着け……っ、ストップストップ!」