この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「……それでこんなに帰りが遅かったわけか。お疲れ様」
放課後の悶着をあらかた晃に話すと、晃からはそんな言葉が返ってきた。
口元には笑みが浮かんでいるので、またおもしろがっているのだろう。
人の苦労話を肴にする晃にむっとはしたが、正直宵には怒る気力がない。
どの道晃のこの反応は予想できていた。
「笑いごとじゃねーっての……」
おかげで自分の家に帰ってきたのは九時過ぎだ。
精神的に疲れ果ててしまい、晃が作っておいてくれた軽い夕食をつまみ、ざっとシャワーを済ませて今にいたる。
ベッドでごろりと寝返りうち、宵は晃を振り向いた。
「つか、今さらだけどなんでおまえが俺んちにいるんだよ」
「一緒に帰ろうと思ってクラスに行ってもいないし、帰ってるのかと思ってここに来たら鍵が開いてたから。留守番」
「不法侵入っつーんだよ、そーいうのは。サツに突き出すぞ」
「それは大変だな。通報される前に口を塞がないと」
「……変態」
晃は苦笑する。
このまま泊まるつもりらしい晃の態度に、宵は特に驚かなかった。
休日の前日にどちらかの家に泊まるのは、最近じゃ茶飯事だ。