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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「で、衣装合わせはどうだった? サイズ合わなかったんじゃないの? 女物の服なんて」
「……合わなかったらこの役断る口実になったんだけどなー」
宵はげっそりとため息をついた。
もしサイズが合わないのなら、宵にとっては好都合だ。正当な理由をつけて、役を下りられる。
もともと、宵のクラスの出し物は『焼きそば』だった。材料も買ったし、外にテントも張った。
文化祭の出し物として目新しくはないが、焼きそばなら売れるはず。なるべく原価を抑えようと、調理器具は生徒たちから寄せ集めたし、実家が農家という子も数人いたためこ野菜はほぼただで手に入ったという。売り上げだってそこそこ期待できるはずだ。
なのになぜ、『コスプレ鬼ごっこ』などという変なオプションをつけたのか。
こればかりは、話し合いの時間に居眠りをしていた宵にはわからない。
そもそも各クラスに支給された予算内であれば、出し物はいくつ出してもいい(ただし飲食系は一クラスにつき一個まで)という学校全体のルールも悪い。
宵はもう、すべてに八つ当たりしたい気分だった。