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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「……合っちゃったんだ。それ男物?」
「知るか」
演劇部から明が借りてきたらしいメイド服。女物なのか男物なのかは知らないが、まったくあの部はどんな活動をしているのかと思う。
明が言うには、あれ以外のコスプレ衣装で宵に合いそうなサイズはなかったのだという。
着ぐるみや戦隊物の衣装はあったが、コスプレとしての魅力をあまり感じなかったし、長時間走るには通気性がよくなくてしんどいだろうということで、明の趣味と気遣いの結果メイド服に決まったらしい。
いろいろと突っ込みたいことはあったが、使われいない空き教室に連行され、メイド服とウィッグ、それから名前も知らないようなメイク道具をずらりと並べられれば、そんな気力は削がれてしまった。
結局宵は明に、されるがままになる他なかったのだ。
「あの女(アマ)、文化祭が終わったら覚えてろよな」
「そんな、どこぞの悪役みたいなセリフ言ってないで、楽しめばいいじゃない。二年に一回のお祭りなんだし」
高校は、言わずもがな三年間。運営側として宵たちが文化祭に参加できるのは、今年のこれが最初で最後だ。