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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
晃がわずかに瞳を細め、表情には不機嫌な色が滲む。
やっぱり、と思わずにはいられなかった。
晃は絶対に嫌がるだろうと思ったからこそ、鬼ごっこの詳しい話は控えていたのに。
メイドを捕まえた鬼への景品――それは二つある。一つはペアで行ける温泉旅行の招待券。これは一つしかなく、噂によるとクラスの誰かが町内会のくじ引きで当ててきたものだとか。
そしてもう一つが、メイド自身だった。宵が気にしているのはこっちだ。
一体誰が言い出したのか。それは、メイドを捕まえた鬼はそのメイドのご主人様になり、一日メイドを、つまりメイド役である宵を好きにできる、というもの。
「……言っとくけど、俺が決めたんじゃねーからな。俺だって聞かされたの三学期始まってからだし」
「知ってる。だから俺も参加したんだよ。宵を捕まえられたら、宵にメイド姿でご奉仕してもらえるって聞いて」
「……しねーってば!」
晃が言うと卑猥に聞こえる。というより、絶対そっちの意味でご奉仕という言葉を使っているんだろう。
だいたい、景品に人をあてがうのもどうかと思う。本人の許可もなく、勝手になんてなおさら駄目だ。