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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
簡単にコスプレ鬼ごっこの趣旨を要約すれば、とにかく制限時間内に鬼がメイドを捕まえればいい、というだけだ。
そのための武器はこれもどこから用意したのか、手錠だった。一人に一つ、配られている。
この手錠をメイドである宵の手首にかけ、彼を連れてゲームの拠点である二年一組の教室に行けばいい。
公平な勝負にするため、鬼同士で協力することは禁じられていて、見つかり次第失格となる。
午前と午後で参加者は十名ずつ。このゲームは二回開かれる。明が言うには、厳正なくじ引きでそれぞれの参加者が決定されているという。そしてその参加者は、高校の在学生だけ、という決まりもあった。
参加者は自分が鬼であることがメイドにすぐわかるよう、名前とクラスの書かれた小さな名札と、赤い星形のバッジをつけることが義務づけられていた。
(ま、ルールはだいたい理解できたけど)
晃は腕時計に視線をやった。
あと数分で文化祭が始まる。同時に、この妙な鬼ごっこもスタートされる。
(あの子やる気ゼロだったけど、ちゃんと一日逃げ切れるのかな)
どうなることやらわからないが、楽しみなのは事実だ。
晃は心の内でつぶやき、ほくそ笑んだ。