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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
――二年一組、教室にて。
「はーい次の人出発していいよー」
「よし、やっと俺の番だな」
明の言葉を受け、大山が名乗りをあげる。
大山は明から名札とバッチ、手錠を受け取り、廊下に飛び出した。
「バッチと名札は見える位置にちゃんとつけといてね。それ無くしたら失格だからよろしく!」
「おうよ!」
気合い充分でそう答えながら、バッチを胸につけ、ビニールの紐がついた名札は首から下げる。
そうしてコスプレ鬼ごっこの参加者である大山は、勇んで歩き出した。
鬼ごっこの開始時間は十時だが、メイドへのハンデのため鬼は原則として三分置きの出発となる。
十時に一人が出発。三分後に二人目。六分後に三人目というように。
大山は四人目だった。一人目より九分の遅れを取っていることになるが、その辺りはあまり気にしていない。
スタートする順番も厳正なるくじ引きで決めたらしいし、メイド役で逃げ回っている宵は、そう簡単に捕まるタマでもないだろうと思っていた。
メイドが逃げ回る範囲に制約はないため、学校の外に出てもルール上は問題ないが、宵の性格上それは有り得ない。