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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
明は頭を抱えたくなった。
明からしてみれば、宵が逃げきろうと誰かに捕まり賞金を持っていかれようとどっちでもよかったのだが、鬼ごっこ開始から二時間弱でこんな形で勝敗がついてしまうと、なんだか複雑な気分になる。
「てかどうやってあいつ手錠を……」
メイドを捕まえるための手錠は、鬼しか持っていないはずだ。
「俺から奪っていったんだよ。色仕掛けとみぞおち一発のコンボで」
「……なぜ宵の色仕掛けに引っかかる」
「そこはまあ……ナマ足とおっぱいが……じゃなくて!」
大山はそこでぶんぶんと首を振った。
「多分俺から奪っていった武器で他のやつを仕留め、そいつからまた武器奪って他の鬼を仕留め、ってやってったんじゃないか? 名札奪いながら」
「なるほどねー。それで使われた手錠は九個なのか」
明はうーん、と考える素振りを見せた。
「なら、最後の子から奪った手錠まだ持ってるってこと?」
明は確認のため、鬼役だった子たちに尋ねてみるも、やはりみんな手錠は奪われてしまったという。
その計算だと、宵はまだ手錠を一つ持っているということになる。