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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「逃げ役が武器使いまくるってどうなんだろな」
「ルール上は……問題ないけど」
こんな展開は明自身予測していなかったため、そもそもルールに組み込んでいないのだ。
それに、手錠を嵌められた鬼役たちも別に嫌がってはいないように見える。
「メイド超絶可愛かったよなー」とか、「宵くんに……手錠かけられちゃった」とか、恍惚とした表情でつぶやいている生徒までいてむしろ喜んでいるようにさえ見えた。
「結果オーライって感じ?」
「……だな」
二人で顔を見合わせていると、ふいに別の声が聞こえた。
「鬼に反撃か。ずいぶんおてんばなメイドだね。その方が捕まえ甲斐があるけど」
「アッキー!」
明が振り向くと、教室のドアのところに立っていたのは大西晃だった。
その姿を視認した別の女子たちからも、黄色い歓声があがる。
晃は女子たちを一瞥し、爽やかに微笑んだあと、明に言った。
「宵の戦法はだいたいわかったよ。その鬼ごっこのことで、一つ頼みがあるんだけど、いいかな?」
「へ? あたしに? まあ、ルールに違反しないことなら」
晃はどこか黒い笑みを形作る。
こっそりと耳打ちされたそれは、明には意外な内容だった。
晃の意図が掴めない。
けれどもルール上は問題ないため、明はそれを了承することにしたのだった。