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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
同日。午後一時すぎ。
「すみませーん焼きそば三つくださーい」
「はーいいらっしゃいませー」
校庭に張られた、人が数人入れるほどの小さなテントの中、大山は焼きそばを炒める手を止め顔をあげた。鬼ごっこでの自分の役割が終わり、午後は屋台の当番だった大山は、焼きそばを作る係に戻っていた。
目の前には、他校の制服を着た女子高生が一人。
大山は焼きそばが入った透明なパックと割り箸を三つずつ袋に入れて、その女の子に差し出した。
「六○○円になります!」
大人一人分の腹を満たすには、やや少なめの量ではあるが、一つ二○○円はお手頃な価格だと思う。
それもこれも、材料や道具をクラス内で持ち寄り、経費をなるべく安く抑えたがゆえの結果だ。
嬉しそうに袋を受け取り、去っていく女子高生を見送ろうとすると、ついつい足に目がいってしまうのはご愛嬌である。
「チェックのスカートもいいなぁ……」
知らず知らず吐露していた欲望をゴクリと飲み込んだ時だった。
キョロキョロと辺りを見回しながら近付いてくる、一人の女性と目があった。