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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「あの、お名前はっ?」
女生徒がテントから顔を出して女性に投げかける。
女性は立ち止まり、振り向いた。
「おい、なんで名前なんか」
「だって、宵くんと親しそうな人、気になるじゃん。もし彼女だったら……。とりあえずブラックリストに登録ね!」
女性に聞こえないよう、小声での大山と女生徒のやりとり。
(ブラックリストって……)
そもそも、初対面の女性に名前を尋ねること自体失礼じゃないかと思ったが、女性は特に気を悪くした様子もなく、にっこりと微笑んでこう答える。
「志穂(しほ)といいます。私が文化祭に来ていたことだけ、伝えてくれるかしら」
「……はーい」
日だまりのような柔らかな笑顔に一瞬見とれそうになりながら、二人はこくりと頷いた。