この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
――同日、二時すぎ。
宵は旧校舎にいた。
後半のゲームは一時から始まる。鬼としての参加者は十名で、また前半と同じように三分おきのスタートになるだろう。
腕時計で時間を確認すると、二時十五分をまわったところだった。
「後半はどうすっかなー」
教室の窓際で壁に体を預けながら、ため息混じりにそっとつぶやいてみる。
左手には、前半戦の参加者から奪った手錠が一つ握られていた。
前半は、旧校舎で大山を待ち伏せし、わざと姿を見せて大山を教室におびきだした。強行手段で手錠を奪ったから武器を手にすることができたし、それを使って鬼を捕まえ、名札を奪って失格にすることができたけれど、この策はもうバレてしまっているだろうし、後半は使えない可能性が高い。
(色仕掛けもさすがに通用しなさそうだし)
と言っても、にっこりと微笑んで相手が怯んだ隙に手錠を嵌めてしまうという、単純明快大ざっぱな策ではあったけれど。
やはりここは反撃にはでずおとなしく隠れて、三時間やり過ごす方が得策だろうかと思う。