この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
メイド役の宵という子とは話したこともないし、そもそも向こうはこちらの名前すら知らないのではないかと思う。
けれども彼は校内では有名だった。男の自分から見てもつい見入ってしまうような、中性的で綺麗な容姿。その外見のせいか、男女問わず彼を慕う者は多い。
そういえば、彼が長かった髪を切ってしまった時にはずいぶん話題になった。
そんな彼がメイドの格好をすると聞き、ちょっと興味が湧いたのだ。しかも景品はペアで行ける温泉旅行券だという。参加料三○○円でそれはすごい。
その分倍率も高いだろうが、もともとお祭り事が好きな彼としては、参加して楽しめればそれで良かった。
宵は運動神経もいいと聞くし、前半は鬼全員を返り討ちにしてしまったと聞いた。そんな子を捕まえられる自信はあまりなかった。
それに、もうすぐ他校の友達が来る。フリーだったら校内を案内してやると約束していた。
可愛いかったと評判の宵のメイド姿を見られないのは残念だが、そろそろ潮時かな、と思う。
(クラス戻るかなー)
男子生徒はロッカールームから出て、つぶやいた。