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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
――教室のドアが開いた。教室内に響く音でそれを知る。状況的に考えて、ロッカールームにいた子に間違いないはずだ。
宵は息を潜め、絶望的な気分でそれを聞いていた。
すぐそばでは同じように、晃が息を潜める気配も伝わってくる。二人がいる場所は外からほとんど灯りが入ってこないためお互いの顔さえ見えないほど暗かったが、体が酷く密着していたため、相手動作の一つ一つがわかる。
そのたびに、自分が今置かれている状況をいやというほど意識させられてしまう。
「こんな場所でエッチなんて、したことないだろう? ……興奮しない? こういうのも」
宵の耳に唇を直接くっつけ、晃は吐息だけでそう囁いてくる。
「……っ」
声を出すには抵抗があった。たとえどんなに小さいものであっても、もし男子生徒に聞こえてしまったらと思うと迂闊にしゃべれない。
だから代わりに、ふるふると首を振って否定する。
悪趣味としか思えなかった。
今二人がいる場所は、教室内にあるテーブルの中だ。