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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
突然なんの話なのかと、宵は訝しげに眉を寄せた。
「このまま俺が君を捕まえて、クラスに連れて行くのは簡単だけど、それじゃ面白みがないなぁと。まだ文化祭が終わるまで二時間くらいあるんだし、もっと逃げ回れよ」
「意味わかんねーよ……。俺はさっさとこの鬼ごっこ終わらせたいんだよ。この気色悪い服も脱ぎてーし、こんなとこで変態プレイするくらいなら今すぐクラス連れてってくれた方が全然いいっつの」
そもそも、どうして文化祭二日目という一番盛り上がる日に、埃くさい旧校舎なんかにじっと隠れてなきゃいけないのか。もう何かの罰ゲームなんじゃないかとすら思う。
「気色悪くなんかないよ、ものすごく似合ってる」
「……いや、そんなとこフォローされても」
似合うと言われても、それはそれで男として複雑だ。
「とにかくクラス連れてけよ。そうすりゃ温泉旅行も手に入るんじゃん」
「そんなに温泉行きたいの?」
「そんなにってほどじゃねーけど。まあ……ただで行けるなら、せっかくだし」
晃は温泉があまり好きではないのだろうか。そんな、どうでもいいことについつい思考が移る。