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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
旧校舎の中は、相変わらず薄暗くて不気味だ。おそらく光源が太陽の光以外ないからだろう。
校舎の周りの草もあまり手入れしていないからか、時間帯によっては廃墟や洋館のようにも見える。
宵がここに入っていくのを、確かに見た。きちんと自分の目で確認した。
しかし、すぐにあとを追ったはずなのにいつの間にかその姿は消えてしまっていたのだ。
晃は周りを物色しながら歩みを進めた。
また前のようにどこかに隠れ、手錠を武器に襲ってくるつもりかもしれない。
けれど晃は、それほど焦ってはいない。宵に不意打ちを狙われようと、返り討ちにできる自信があった。
晃は歩みを止めず、腕時計を確認した。
今の時刻は十六時四五分。文化祭終了まであと十五分だ。
――そろそろ、仕掛けてくるだろうか。
その時だった。
ちょうど一階の端の階段にさしかかった時。小さなもの音がした。
晃が階段を見上げると、一階と二階の間の踊場に、ちらりと見えた赤茶の髪と白いフリル。
宵に間違いない。だが慌てて追いかける真似はしない。
彼が考えた罠かもしれないからだ。