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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「――なるほどね。家庭科室の前でたまたま会った明ちゃんにメイドの格好をさせて、自分の身代わりを頼んだってわけか。俺を騙すためにわざわざ」
「まあ、そんな感じ」
「まったく君はなんて悪知恵を。女の子にあんな格好させるなんてセクハラだよ?」
「なんでだよ。つか、アイツ結構ノリノリでやってたぞ。メイドのコスプレ」
すっかり日も暮れかけた夕暮れ時。
文化祭は、無事幕を閉じた。祭を訪れていた客達は皆姿を消し、どこのクラスも後片付けに追われている。
宵と晃もその例外ではなく、崩したテントに使われていた棒を倉庫に持ていくため、校庭を歩いていた。
メイド役を明がやっていたことについて種明かししながら、宵は苦笑する。
晃を捕まえた時の、鳩が豆鉄砲を食らったような表情が面白かった。
結局あの時はまともにネタばらしをしている余裕はなく、晃を捕まえるために使った手錠を急いで宵に嵌めなおし、教室に向かった。鬼がメイドを捕まえるという本来の鬼ごっこのルールにのっとり、温泉旅行を手に入れるためだ。
そして実際、晃は温泉旅行のペア券を手に入れることができたのである。