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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「ま、いいじゃん。もうどうでも。俺のおかげで温泉行けることになったんだし」
「宵のおかげなのか? ちょっと違わない?」
「つべこべうるせー。そもそも、元凶はおまえだろうが」
宵は晃を軽くあしらう。
この勝負自体晃が提案したことである。
本来なら晃が宵を捕まえてクラスに連れて行くだけで温泉旅行は手に入るはずだったのだ。
それを宵が晃を捕まえるという、主旨のズレたゲームを提案してしまったせいで、明まで巻き込まなきゃならないほどの、とてつもなく面倒な事態になってしまった。
それを自分が断ち切ったのだから、一応宵のおかげという言葉を使っても間違いではないはずだ。
「うん、そうだな。まあいいやそれで」
ふいに晃が大きく伸びをした。
宵の耳元に唇を寄せ、囁く。
「これで念願の、浴衣でエッチができるし」
「…………変態」
宵は晃を睨みつけ、小声で罵る。
周りに人も多いというのに、何を言っているのかこいつは。
しかし晃は宵からのきつい視線をもろともしない。
「そんな俺が好きなんだろう?」
それどころか上機嫌でさえある晃に、宵はため息をつくしかないのであった。