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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
宵は明の様子を思い浮かべ、眉間に皺を寄せた。
「ああ……多分」
そういえば、メイクを直す時、明は何度か手首をさすっていたような気がする。手首に目立った腫れはなかったと思うが、痛みは残っていたのかもしれない。
それを晃に話すと、晃は酷く沈んだ声色で言った。
「宵なら構わないけど、知らなかったとはいえ女の子にあんな手荒な真似をしちゃうなんて、一生の不覚だな、俺」
「だったらいっぺん死んで詫びてこいや。つか、俺でもよくねーから」
宵はため息をついた。フェミニストを気取る晃としては余程ショックな失敗だったのだろうが、自分は男であるとはいえ、扱いがあまりに違いすぎる気がして宵は腑に落ちないのであった。
「じゃあ戻るか」
「うん」
身を隠していた草むらを出て、二人が明を探しにいこうとした時。
ふいに晃の携帯が鳴った。
「ちょっと待って」
「電話?」
「いや、メール」
晃が携帯を開く。
「学校じゃ電源切ってんじゃなかったのかよ?」
「あー……さっきつけた。もう文化祭は終わったし、いいかなって」