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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「宵ー! 宵くーん! 宵ちゃーん! ……いい加減機嫌直せって」
こんな状況前にもあったなぁなんて記憶を辿りつつ、晃は遥か前方を早足に歩いていってしまう宵の背中を追いかけ続ける。
後夜祭は無事に終了した。宵のクラスも晃のクラスもこの後打ち上げだそうで、カラオケやらボーリングやらに向かうらしい。
けれど二人は参加しなかった。もうみんなで騒ぐのには疲れていた。
宵は自分の家へ。晃もその後を追っている。
明日は平日だが文化祭の振り替えで休みなので、本当だったら晃の家に宵が泊まりにくるはずだったが、完全に怒ってしまった宵には、もうその気はないだろう。
「ほんの出来心だって。いいじゃん、コスプレ似合ってたし」
自分でもこのフォローはいかがなものかと思ったが、ずっと口を聞いてくれない宵に少しばかり焦っていた。
(ちょっと度が過ぎたイタズラだったかな……)
事の発端は、今日の夕方頃に来ていた志穂からのメールである。
宵のことが心配だからという理由で、以前志穂に連絡先を聞かれたことがあった。宵は携帯を持っていないので、おそらく一番親しくよく宵と一緒にいる晃の連絡先を知りたかったのだろう。