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Memory of Night 番外編
第3章 熱々、バレンタインデー!
そもそも、たいして話したこともないような子からそんなものを貰っても困る。
お返しを配れる金もなかった。
「問題そこか? って感じだけどな。ま、だから今回はみんな方針を変えて、机の上にこっそり置いてったんじゃないか? ……っておい、聞いてるかー?」
大山が話し終わる前に、宵はさっさと鞄を引っ掛け自分の席についていた。
山積みのチョコを上から順に取り上げ、何やら分け始める。
「……なあ、早坂知美(はやさかともみ)って何組?」
「ああ、三組だよ」
「久本彩(ひさもとあや)って子は?」
「四組かな、確か」
「旗見美奈子(はたみみなこ)」
「……同じ学年にいたっけ、そんな名前の子。ていうか何してんの?」
宵は先ほどから、チョコレートの中に入っている便箋などを開き、名前を確認している。
その行動に、大山がいぶかしげに首をかしげて尋ねた。
「チョコ、返しに行くんだよ」
「え、返しちゃうのかっ?」
もったいない! と嘆く大山。
宵は大山のリアクションなど丸ごと無視して、チョコレートの仕分けを続けている。