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官能ショートショート『策略』
第1章  
友人がいた。
廊下の壁にもたれて立っていた。
手には部屋の鍵がもてあそばれている。
友人は無言でそれを私に差し出した。
私も無言でその鍵を受け取ると、今出てきた部屋の鍵を渡した。
彼は言った。
「これからが、また、いいんだ……」
ふっ、と片方の唇の端を釣り上げた。
私は、その意味が分からず、そのまま彼の前を横切り、自分の部屋の鍵を開けた。
乱れたシーツの上に妻が全裸で横たわり、寝息を立てていた。
近づいた。
両脚がだらしなく、開かれたままだった。
ごくりと唾を呑み込む。
妻の股間にそっと手を這わす。
濃いぬめりが指にまとわりついた。
男の体液の濃い匂いが鼻腔に届く。
先ほど、放ったばかりだというのに、私のものは、また急速に熱を持ち始めた。


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